内科医花芝の健康小話

ちょっと健康に役立つことをお話します。

尿酸値を下げる食事法!痛風を予防しましょう。

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尿酸を下げたいのですが、やはり食事を気を付けるべきでしょうか。

レバーとか白子とか、食べちゃ駄目って聞いたことあるなぁ。

プリン体を摂り過ぎない為の食事の工夫を考えましょう。

 

前回は尿酸の基準値や、尿酸が関連する病気についてお話しました。

尿酸を下げるには、食事療法運動療法薬物療法があります。

今回はその中でも一番身近な食事にスポットを当てます。

尿酸が気になる方のよりよい食事法について、考えていきましょう。

尿酸値が高い人が食べたら良いもの、避けた方が良いものはなんでしょう?

具体的に、どんな工夫が出来ますか?

そんな疑問にお答えしていきます。

 

前回の尿酸についての解説は此方をどうぞ!

www.hanashiba-kenko.com

 

尿酸とプリン体

尿酸とは、プリン体の代謝物です。

プリン体には以下の二つの役割があります。

プリン体の役割

①身体を動かすエネルギー

②遺伝子(DNA)を運ぶ核酸の材料

プリン体は役目を果たすと分解され、尿酸になります。

尿酸は通常、尿や便として排泄されていきます。

ここのバランスが崩れると、体内に尿酸が溜まってしまうのです。※

 

※尿酸は通常、1日700㎎産生され、1日700㎎排泄されます。

体内には常に約1200㎎の尿酸が存在し一定を保ちます。

尿酸が溜まってしまう原因

尿酸が溜まってしまう原因は、大きく3つあります。

尿酸が溜まってしまう原因

①排泄低下型(尿酸がうまく排泄できない)

②産生過剰型(尿酸を作り過ぎている)

③混合型(①と②の両方)

このうち、特に注意が必要なのは②です。

尿酸を作り過ぎている原因の多くが、材料の過剰です。

つまり、プリン体を摂り過ぎているのです。

だから気を付けるべきは、プリン体の摂りすぎということになります。

プリン体の適正摂取

 プリン体の1日の摂取量は400㎎までが適切とされています。

では、色んな食品のプリン体量を見てみましょう。

 

ただし注意が必要なことが一つあります。

高プリン体食品低プリン体食品と呼ばれるものがあります。

その基準は、各食品100mgあたりのプリン体量で分類しています。

つまり一度に大量摂取しない場合は、高プリン体食品でも問題にならない場合があります。

反対に、低プリン体食品でも大量摂取するとよくなことがあります。

(そもそもカロリーの問題もあります)

 

「この食べ物は駄目、この食べ物は良い」

と切り分けるのでなく、総合的に判断していくことが大切です。

各食品のプリン体量

「高尿酸血症・痛風治療のガイドライン」

より抜粋して、プリン体の多い食品・少ない食品を紹介します。

記載がないものは、気になったら調べてみてくださいね。

なお、全て食品100㎎あたりのプリン体量で分類しています。

プリン体が極めて多い(~300mg)

鶏レバー、白子、煮干し、干し椎茸、イワシの干物

プリン体が多い(200~300㎎)

豚レバー、牛レバー、カツオ、イワシ、アジの干物、サンマの干物

プリン体が少ない(50~100mg)

豚ロース、豚バラ、牛肩ロース、牛肩バラ、牛タン、

ボンレスハム、ベーコン、

ほうれんそう、カリフラワー

プリン体が極めて少ない(~50㎎)

牛乳、鶏卵、かまぼこ、さつま揚げ、カズノコ、スジコ、

じゃがいも、、キャベツ、トマト、ニンジン

米飯、パン、うどん、そば、豆腐、ウインナーソーセージ、

果物、ひじき、わかめ、こんぶ

飲酒について

アルコール飲料についても注意を要します。
代謝に関連して、尿酸値を上げてしまう作用を持っています。
具体的には、以下の二つです。

アルコールの及ぼす影響

①プリン体分解の更新(尿酸↑)
②腎臓における尿酸排泄低下

だからプリン体を含んでいないアルコールでも、節制が望ましいのです。

日本酒1合、ビール500ml、ウイスキー60ml
からそれぞれ尿酸値に影響が現れるとされています。
この量を守った上で、週に2日以上の休肝日を作りましょう。

その他の工夫

その他に気を付けた方が良い点を纏めました。

全てを完璧にするのは、きっととても大変です。

工夫できそうな所から、少しずつ初めてみてください。

何より大切なのは、継続していくことです。

水分を確りとる

尿酸の排泄を助ける為、水分を確りとりましょう。

1500ml~2000mlはとるのが望ましいです。

尿をアルカリ化する食品をとりましょう

尿酸は酸性物質なので、アルカリ性に良く溶けます。

尿をアルカリ化する食品は、尿酸排出を助けてくれます。

尿をアルカリ化する食品
大豆、じゃがいも・さつまいも・里芋などいも類、
大根、にんじん、ごぼう、かぶ、なす、キャベツ
ひじき・ワカメなどの海藻類など

肥満を改善しましょう

肥満がある方は特にカロリー摂取量に気を付けてください。

適正体重を目指して、頑張りましょう。

牛乳・乳製品の摂取

牛乳や乳製品の摂取は、痛風予防に効果があるという報告があります。

乳製品が含む蛋白が、尿酸排泄を促進する作用を持つようです。

ただし、豆乳にはこの効果はありません。

また、カロリーには気を付けましょう。

まとめ

今回は、食事でできる尿酸値対策についてお話しました。

食事は毎日のことですから、厳密に計算するのは大変です。

しかし少し気を付けているだけでも、効果はあります。

自分のペースで、食事に工夫をしてみてくださいね。

無理せず継続して、尿酸値対策をしていきましょう!